公益財団法人栢森情報科学振興財団主催 AIシンポジウム
共催:(一社)日本ロボット学会、(一社)人工知能学会
日時:2024年1月28日(日)13:30〜17:30
会場:名古屋マリオットアソシアホテル 16階アイリス
プログラム
- 13:30~第一部 招待講演
- 13:30~14:10未来のAIを語る
情報技術(IT)は想像力の勝負だ、物理法則が適用されないから、想像できたものは、いつか必ず実現する。AIはITの一部であるから,同じことが言える。とは言え、AIの初期から問題とされ、いまだに解決されていない問題もある。過去にAI研究で明らかにされた「フレーム問題」や、哲学者(サール)や物理学者(ペンローズ)などの外部からのAI批判を検討しながら、それらの解決の方向性と、それらが解決された時にどんな未来が待っているかについて想像力の限り描いてみたい。
- 14:10~14:50生と死と人とAIの総合知
2019年末から広まった新型コロナウイルス・パンデミックの背後でふたつの大きなパラダイム転換が進んだ。すなわち、①生成AIの飛躍的な発展と普及、②人間の老化は予防・克服できるという考え方の急速な広がり、である。私たちはパンデミックで生と死に関する多くの問題を再認識することとなったが、今後はさらに学際科学的な視野で、生きて死ぬヒトと、いまのところ生や死の概念を持たないAI/ロボットとの共存社会をデザインしてゆく必要がある。だがその対比さえ揺らいでいるのが現在であり、まずは生と死の本質さえ変わってゆくかもしれない未来に対して、私たち人間が発揮しうるしなやかな想像力が欠かせない。旧来の学際は今回のパンデミックで一部に限界も見られ、新しい知のあり方が求められている。私たちはどのような「総合知」で人とAIが助け合う社会をつくってゆけるだろうか。作家の立場から生と死を中心テーマに据えて考えてみたい。
- 14:50~15:30テクノロジーの未来
文明の進歩はテクノロジーの進歩と切り離せない。馬車が自動車に取って代わり、致命的な感染症が抗生物質によって治る病気になったように、テクノロジーが人々の暮らしを便利に,快適にしてきたのは事実だ。一方で、早すぎる進歩が人々を不安にしているのが昨今の状況ではないだろうか。急速に進化をとげたAIはその象徴といえる。AIに仕事を奪われるという懸念、重要な政策決定にAIの判断が反映されるという不安にどう応えるかは、もはや研究者や技術者だけの問題ではない。人文・社会・政治といったセクターが連携しながら、社会の声に耳を傾け、発展のスピードや方向性を見直す時代が来ているのではないか。ジャーナリストの立場から問題提起したい。
- 15:30~15:50休憩
- 15:50~17:30第二部 パネル討論
最新AIとの共棲はいかに、未来社会をどう設計するか本パネルでは,3名の招待講演者に加え、多様な分野の代表の先生方にも参加いただき、AIやロボット等の最新テクノロジーを駆使した人工物との付き合い方を通して、いかに未来社会を設計するかについて議論を進めていく。
司会:浅田 稔
パネリスト
中島 秀之(札幌市立大学 学長)
瀬名 秀明(作家)
元村 有希子(毎日新聞社 論説委員)辻井潤一(産業技術総合研究所 フェロー)
尾形 哲也(早稲田大学理工学術院 教授/産業技術総合研究所 特定フェロー)
福島 俊一(科学技術振興機構研究開発戦略センター フェロー)
稲谷 龍彦(京都大学大学院法学研究科 教授)
田村 浩一郎(元電子総合研究所 所長)
実行委員会:委員長 稲垣康善(名古屋大学 名誉教授)
浅田 稔(大阪国際工科専門職大学 副学長)、 田村浩一郎(元電子総合研究所 所長)
武田一哉(名古屋大学 副総長 教授)、間瀬健二(名古屋大学特任教授・名誉教授)
令和6年3月21日に掲載されました。 毎日新聞社(全国版)
↑ 公式動画チャンネルのご登録もお願いいたします。↑